訪問看護ステーション、初の2万件突破——開業ラッシュの裏で廃止も過去最多
全国訪問看護事業協会の調査で全国の訪問看護ステーション稼働数が初めて2万件を突破する一方、新規開業・廃止休止がともに過去最高水準を記録したことが看護・介護に与える影響は、業界が拡大しながら同時に淘汰も進む局面に入っているため、就業先を選ぶ看護師にとって経営の安定性を見極める視点がこれまで以上に重要になるという点です。

ニュースの要約
一般社団法人全国訪問看護事業協会の『令和8年度 訪問看護ステーション数 調査結果』(令和8年4月1日現在)によると、全国の訪問看護ステーション稼働数は20,051件となり、調査開始以来初めて2万件の大台を突破した。前年比+1,297件(+6.9%)で17年連続の増加。単年度の新規開業は3年連続で過去最高水準の2,428件、廃止休止も最多の1,288件を記録した。
現場に影響するルート
- Step 1全国訪問看護事業協会の調査で全国の訪問看護ステーション稼働数が2026年4月1日時点で20,051件となり、調査開始以来初めて2万件の大台を突破、17年連続の増加を記録した
- Step 2単年度の新規開業は3年連続で過去最高水準の2,428件に達する一方、廃止休止も最多の1,288件を記録し、業界の入れ替わりが急速に進んでいる
- Step 3高齢化の進行・在宅医療シフト・診療報酬改定といった社会的背景が新規開業を後押しする一方、経営が軌道に乗る前に撤退する事業所も少なくないとみられる
- Final Step看護師にとって、訪問看護ステーションへの就業・開業を考える際には、業界全体の成長だけでなく、個々の事業所の経営の安定性を見極める視点がこれまで以上に重要になる
『増えているのに、消えている数も過去最多』——訪問看護の業界データが示したのは、そんな二面性でした。
一般社団法人全国訪問看護事業協会の調査によると、全国の訪問看護ステーション稼働数は2026年4月1日時点で20,051件となり、調査開始以来初めて2万件の大台を突破しました。前年比+1,297件(+6.9%)で、2009年から17年連続の増加です。注目すべきは、単年度の新規開業が3年連続で過去最高水準の2,428件に達する一方、廃止休止も最多の1,288件を記録している点です。高齢化の進行や在宅医療シフト、診療報酬改定といった社会的背景が新規開業を後押しする一方、開業して間もない事業所ほど経営が軌道に乗る前に撤退するケースも起きているとみられます。
この数字が示すのは、業界全体としては拡大を続けながらも、個々の事業所レベルでは生存競争が激しくなっているという構造です。訪問看護は需要が拡大する成長分野である一方、看護師確保や資金計画、業務効率化といった経営課題を乗り越えられるかどうかが、事業所の存続を大きく左右しています。稼働数の純増ペースが年平均8%前後で推移してきたことを踏まえると、今後も新規参入と撤退が同時に活発化する局面がしばらく続くとみられます。
訪問看護ステーションへの就業や開業を考える看護師にとって、業界全体が伸びているという事実だけで判断するのはリスクがあります。就業先の稼働年数や経営の安定性、人材への投資姿勢といった個々の事業所の実情を見極める視点が、これまで以上に重要になってきそうです。
よくある疑問
Q.この影響を最初に受けるのは誰?
A.訪問看護ステーションへの就職・転職・開業を考えている看護師と、既に事業所を運営している経営者がまず関わってきます。
Q.現場で今すぐできることは?
A.今すぐ転職・開業を検討する必要はありませんが、就業先を選ぶ際に事業所の稼働年数や経営状況を確認する視点を持っておくと、今後のキャリア判断の参考になります。