抜き打ち訓練、医局の『異常』に医師は誰も気づかず——ナースステーションなら、誰に連絡する?
医療専門メディアm3.comが2026年9月14日に報じた大津赤十字病院のサイバー攻撃想定の抜き打ち訓練で医局に仕掛けた試験的な異常に医師の誰も的確に対応できなかったことが看護・介護に与える影響は、訓練が異常を置いた場所が情報システム部門ではなく職員の日常の業務スペースだったため、ナースステーションで同じ違和感に出会ったときの連絡先が夜勤帯・休日を含めて決まっているかを確かめる材料になるという点です。

ニュースの要約
医療専門メディアm3.comが2026年9月14日、大津赤十字病院で実施されたサイバー攻撃を想定した抜き打ち訓練を報じた。医局に『大量印刷が突然始まる』という試験的な異常を仕掛けたところ、医師の誰も的確に対応できなかったという。
現場に影響するルート
- Step 1サイバー攻撃を想定した抜き打ち訓練で、大津赤十字病院の医局に『大量印刷が突然始まる』という試験的な異常が仕掛けられたが、医師の誰も的確に対応できなかった
- Step 2訓練が異常を置いた場所はサーバー室でも情報システム部門でもなく医局、つまり職員が日常業務をしている部屋であり、兆候は警告画面ではなく『プリンターが勝手に動いている』という見過ごしやすい形で現れた
- Step 3報じられたのは医局の医師の反応であり、看護部門で同じ結果になるかどうかはこの訓練では試されていないが、ナースステーションも同じく職員の日常の業務スペースで、処方箋やラベルの印刷・電子カルテの応答という同種の兆候が現れる場所である
- Final Step兆候に気づいた人が次に詰まるのは報告先なので、看護部門で今日できる備えは、電子カルテやプリンタの挙動がおかしいときの情報システム担当の連絡先と夜間・休日の窓口が、ナースステーションのどこに掲示されているかを確認しておくことになる
「異常」を仕込んだのに、誰も気づかなかった——そんな訓練の結果が報じられました。
医療専門メディアm3.comが2026年9月14日に報じたのは、大津赤十字病院(大津市)で行われたサイバー攻撃を想定した抜き打ち訓練です。医療機関へのサイバー攻撃によって情報漏えいや電子カルテの停止、診療の休止に追い込まれる事例が後を絶たない中、政府は医療機関を重要インフラ事業者と位置づけ対策強化を打ち出しています。今回の訓練では、医局に「大量印刷が突然始まる」という試験的な異常が仕掛けられましたが、医師の誰も的確に対応できなかったといいます。
先にはっきりさせておくと、この結果は医局の医師の反応です。看護部門で同じことをしたらどうなるかは、この訓練では試されていません。
それでも看護の側から読む価値があるのは、訓練の設計のほうです。異常を置いた場所は、サーバー室でも情報システム部門でもなく、職員が日常業務をしている部屋でした。しかも兆候は警告画面ではなく、「プリンターが勝手に動いている」という地味で見過ごしやすい形をとっています。この設計をそのままナースステーションに置き換えると、対応するのは処方箋やラベルの印刷、電子カルテの応答の遅さ、部門システムの見慣れない挙動です。どれも「機械の調子が悪いだけ」で片づけられる種類の出来事ですよね。
そして、気づいた人が次に詰まるのは報告先です。患者さんに関する事象であればインシデントレポートという道筋がありますが、「電子カルテの動きがなんとなく変」を深夜2時に誰へ伝えるかは、それとは別の経路になります。当直の事務当直へ回すのか、情報システム担当の携帯へ直接かけてよいのか、朝まで待つのか。ここが決まっていないと、気づく力があっても止まってしまいます。
今日できる確認はひとつです。院内の情報システム担当への連絡先と、夜間・休日の窓口が、ナースステーションのどこに書いてあるかを見ておくこと。抜き打ち訓練を企画するのは看護部門の仕事ではありませんが、連絡先を全員が言えるかどうかは、今日の申し送りで確かめられます。
よくある疑問
Q.この影響を最初に受けるのは誰?
A.報じられた訓練で試されたのは医局の医師です。看護部門で言えば、夜勤帯に電子カルテやプリンタの異変に最初に出会う病棟看護師が同じ場面に立ちます。
Q.現場で今すぐできることは?
A.院内の情報システム担当への連絡先と、夜間・休日の窓口が、ナースステーションのどこに掲示されているかを確認してください。訓練を企画するより先に、連絡先を全員が言える状態のほうが早く効きます。