労働

退職代行を使った退職、企業の8.7%が経験——「一身上の都合」の裏、聞けていますか?

💡 看護への影響ポイント

東京商工リサーチの調査で退職代行サービスを通じた退職を経験した企業の割合が全体で8.7%となり前回調査の7.2%から1.5ポイント増加し大企業は21.3%と中小企業(7.8%)の約2.7倍に達したことが看護・介護に与える影響は、退職代行を頼る人が本音の理由を伝えないまま辞めていく傾向を踏まえ、退職面談で聞く理由をそのまま職場課題の全てと受け取らず日頃から本音を話しやすい関係づくりを意識する価値があるという点です。

ニュースの要約

東京商工リサーチが2026年4月15日発表した調査(回答企業6,425社)で、2024年1月以降に退職代行業者を利用した退職があった企業は全体で8.7%となり、前回調査(2025年6月)の7.2%から1.5ポイント増加した。企業規模別では大企業21.3%・中小企業7.8%で、大企業は中小企業の約2.7倍だった。

出典: 日本経済新聞(東京商工リサーチ発表)(2026-04-15の報道)元記事を見る ↗

⚡現場に影響するルート

  1. Step 1東京商工リサーチが2026年4月15日、2024年1月以降に退職代行業者を利用した退職があった企業が全体で8.7%となり前回調査の7.2%から1.5ポイント増加、大企業は21.3%と中小企業(7.8%)の約2.7倍に達したと発表した
  2. Step 2退職代行を頼る人は、職場に直接気まずさを感じて本音の理由を伝えないまま退職するケースが多いとされ、企業側は『一身上の都合』などの建前の理由しか受け取れないまま人材を失っていく
  3. Step 3看護・介護の職場でも退職面談で聞く理由が職場課題のすべてを映しているとは限らず、退職代行の利用経験率が増え続けている社会的背景を踏まえておく価値がある
  4. Final Step日頃から本音を話しやすい関係づくりや、退職を考え始めているサインに早めに気づく視点を持つことが、退職代行に頼らざるを得なくなる前の一手になりうる

「一身上の都合で」——その一言の裏に、何があったのでしょうか。

東京商工リサーチが2026年4月15日に発表した調査結果によると、2026年3月31日から4月7日にかけて実施した調査(回答企業6,425社)で、2024年1月以降に退職代行業者を利用した退職があった企業は全体で8.7%にのぼりました。前回調査(2025年6月)の7.2%から1.5ポイントの増加です。企業規模別に見ると、大企業が21.3%であるのに対し中小企業は7.8%にとどまり、大企業は中小企業の約2.7倍という結果でした。

退職代行を頼る人の多くは、上司や職場に直接気まずさを感じ、本音の理由を伝えないまま退職に踏み切るとされています。企業側からすれば、「一身上の都合」といった建前の理由しか受け取れないまま、大切な人材を失っていくことになります。しかも規模の大きな組織ほどこの傾向が強いというのは、組織が大きくなるほど「言い出しにくさ」も比例して増しているのかもしれません。

看護・介護の職場も無縁ではありません。退職時の面談で聞かれる理由が、必ずしも職場が抱える本当の課題のすべてを映しているとは限らないのです。退職代行の利用経験率がじわじわと上がり続けているという社会的な背景は、「聞いた理由をそのまま鵜呑みにしない」という視点の裏付けにもなりそうです。

今すぐ面談の仕組みを見直す必要はありません。ただ、日頃から本音を話しやすい雰囲気を作っておくこと、そして退職を考え始めているかもしれない小さなサインに早めに気づいておくこと。それが、いざというときに「代行サービスに頼らざるを得ない」という状況を防ぐ、地味だけれど確かな一手になるはずです。

よくある疑問

Q.この影響を最初に受けるのは誰?

A.退職面談を担当する看護管理者・師長と、本音を伝えられないまま退職を考えている看護師・介護職員がまず関わってきます。

Q.現場で今すぐできることは?

A.今すぐ面談の仕組みを変える必要はありませんが、退職理由を額面通りに受け取るだけでなく、日頃のちょっとした変化に気づいて声をかける機会を意識しておくと安心です。