県が看護学部に最大27億円——滋賀県と京都女子大が『地元に残る看護師』づくりで協定
滋賀県と学校法人京都女子学園が大津市での看護学部新設に向けた基本協定を締結し、県が施設整備費の最大27億円を補助する一方、大学側は卒業生の県内就職を促す仕組みを図ることが看護に与える影響は、自治体が財政支援で大学を誘致し卒業後の地域定着まで見据えて教育課程を設計するという枠組みが、自地域の看護師確保策を考えるうえでの具体的な参考事例になるという点です。

ニュースの要約
滋賀県と学校法人京都女子学園は2026年10月16日、大津市に看護学部(仮称)を新設する基本協定を締結した。県が施設整備費の2分の1を限度に最大27億円を補助し、法人は卒業生の県内就職を促して看護師確保につなげる(2029年4月開設目指し、入学定員80人)。
現場に影響するルート
- Step 1滋賀県と学校法人京都女子学園(京都市東山区)が10月16日、大津市のJR駅近くに看護学部(仮称)を新設する基本協定を締結した。県有地(県庁隣接)に建設し、県は施設整備費の2分の1を限度に最大27億円を補助、法人は2029年4月の開設を目指す。入学定員80人で看護師資格を取得できる
- Step 2法人は専門性を身につけた卒業生の県内就職を促し看護師確保につなげるとしており、県は財政支援だけでなく実習先の確保にも取り組む。『専門性を高めたい』という看護現場のニーズを踏まえ、保健師・助産師等の資格取得や5年一貫での修士号取得も検討する大学院の併設構想もある
- Step 3滋賀県知事は『今後さらに看護師が不足する危機感がある』、大学の学長は『地域課題を認識し、解決に貢献できる意識を持った看護師を育てたい』と述べており、単なる定員拡大ではなく地域定着まで見据えた教育方針を示している
- Final Step看護管理者・養成校関係者は、自治体が財政支援で大学を誘致し、実習先確保や県内就職促進まで一体で設計するこの枠組みを、自地域の看護師確保策を考える際の具体的な参考事例として知っておく価値がある
「看護師を育てる大学を、自治体が誘致する」——そんな動きが、滋賀県で具体的な形になりました。
滋賀県と大学を運営する学校法人京都女子学園(京都市東山区)は2026年10月16日、大津市のJR駅近くに看護学部(仮称)を新設する基本協定を締結しました。新学部は県庁に隣接する県有地に建設される計画で、法人は2029年4月の開設を目指しています。協定書によると、県は法人に対し施設整備経費の2分の1を限度に最大27億円を補助。学部の入学定員は80人で、看護師資格を取得できます。
注目したいのは、財政支援だけにとどまらない枠組みです。法人は専門性を身につけた卒業生の県内就職を促し、看護師確保につなげるとしており、県も実習先の確保に取り組みます。さらに、「専門性を高めたい」という看護現場のニーズを踏まえ、保健師・助産師などの資格取得や、優秀な学生が5年間で修士号を取得できる仕組みも検討する大学院の併設構想もあるといいます。
協定締結にあたり、滋賀県の三日月大造知事は「今後さらに看護師が不足する危機感がある。連携協力しながら歩みを進めたい」と述べました。一方、京都女子大の竹安栄子学長は「詰め込みではなく、ゆとりを持った教育を行いたい。実習も単位取得のためだけではなく、地域課題を認識し、解決に貢献できる意識を持った看護師を育てたい」とコメントしています。
今すぐ何かが変わるわけではありません。ただ、自治体が財政支援で大学を誘致し、実習先の確保から卒業後の県内就職促進まで一体で設計するというこの枠組みは、同じように看護師確保に悩む他の自治体・養成校にとっても、具体的な参考事例になりそうです。
よくある疑問
Q.この影響を最初に受けるのは誰?
A.滋賀県内で看護師不足に悩む医療機関と、2029年度以降この学部を目指す受験生がまず関わってきますが、同じ課題を抱える他の自治体・養成校にとっても参考になる事例です。
Q.現場で今すぐできることは?
A.今すぐ対応が必要な話ではありませんが、自治体と大学が連携して看護師確保に取り組む枠組みの一例として、自地域の採用・養成戦略を考える際の材料にしておくとよさそうです。