75歳以上の窓口負担、2029年8月から『株の配当』も反映——制度変更のスケジュールが固まった
厚生労働省が社会保障審議会医療保険部会で、75歳以上の後期高齢者医療制度の保険料・窓口負担に株式配当などの金融所得を反映させる新たな仕組みを2029年8月から始める方針と、そのスケジュールを示したことが看護に与える影響は、株式配当・譲渡益のある高齢の利用者は数年後に窓口負担割合が変わる可能性があり、訪問看護師・ケアマネジャーが制度変更の時期を把握しておく価値があるという点です。

ニュースの要約
厚生労働省は10月16日の社会保障審議会医療保険部会で、75歳以上の後期高齢者医療制度について、株式配当などの金融所得を保険料・窓口負担の算定に反映させる新たな仕組みを2029年8月から運用する方針とスケジュールを示した。2029年1月から金融機関の支払い報告書のオンライン提出を義務化し、それを受けて同年8月から反映を開始する。
現場に影響するルート
- Step 1厚生労働省は10月16日の社会保障審議会医療保険部会で、75歳以上の後期高齢者医療制度について、株式配当・譲渡益などの金融所得を保険料・窓口負担の算定に反映させる新たな仕組みを2029年8月から運用する方針を示した。現行制度では年金・給与所得は窓口負担等に反映されているが、金融所得は確定申告をしなければ自治体が把握できず算定対象にならない不公平が指摘されていた
- Step 2改正健康保険法に基づき、金融機関が税務署長に提出する支払い報告書(法定調書)を、新たに後期高齢者医療制度の保険者にも提出するよう義務付ける。2029年1月から28年分の支払い報告書のオンライン提出を義務化し、その報告を受けて同年8月から金融所得を保険料・窓口負担に反映するという具体的なスケジュールが固まった
- Step 375歳以上の窓口負担は現在原則1割で、所得が多いと2割・3割に引き上げられる。株式配当・譲渡益などの金融所得がある高齢の利用者は、2029年以降、この仕組みにより窓口負担割合が変わる可能性がある
- Final Step看護管理者・ケアマネジャーは、2029年に向けて段階的に進むこの制度変更のスケジュールを知っておくと、該当しそうな利用者やその家族から相談を受けたときの心構えになる
「年金での負担は決まっているけど、株の配当は関係ない」——そんな認識が、数年後には変わるかもしれません。
厚生労働省は2026年10月16日、社会保障審議会の医療保険部会(厚労相の諮問機関)で、75歳以上が加入する後期高齢者医療制度について、株式配当や譲渡益などの金融所得を保険料・窓口負担の算定に反映させる新たな仕組みを2029年8月から運用する方針を示しました。現行制度では、年金や給与所得は窓口負担などの算定に反映されていますが、株式配当などの金融所得は確定申告をしなければ自治体が所得として把握できず、算定の対象になっていませんでした。申告の有無によって自己負担に差が生じる不公平が、かねて指摘されていたといいます。
今回示されたのは、具体的な導入スケジュールです。先の国会で成立した改正健康保険法に基づき、金融機関が税務署長に提出する支払い報告書(法定調書)を、新たに後期高齢者医療制度の保険者にも提出するよう義務付けます。2029年1月からは28年分の支払い報告書のオンライン提出が義務化され、その報告を受けて同年8月から、金融所得を保険料・窓口負担に反映する運用が始まる見通しです。
75歳以上の窓口負担は現在、原則1割で、所得が多い場合は2割・3割に引き上げられます。株式配当や譲渡益などの金融所得がある高齢の利用者さんは、2029年以降、この仕組みによって窓口負担割合が変わる可能性があります。
今すぐ何かが変わるわけではありません。ただ、2029年に向けて段階的に進むこの制度変更のスケジュールを知っておくと、該当しそうな利用者さんやそのご家族から相談を受けたときの心構えになりそうです。
よくある疑問
Q.この影響を最初に受けるのは誰?
A.株式配当・譲渡益などの金融所得がある75歳以上の利用者さんと、その窓口負担の相談を受けるケアマネジャー・訪問看護師がまず関わってきます。
Q.現場で今すぐできることは?
A.今すぐ特別な対応は必要ありませんが、2029年8月から金融所得が窓口負担・保険料に反映されるというスケジュールを知っておくと、該当しそうな利用者さんから相談を受けたときの心構えになります。