社会

「送金バイト」が新たに処罰対象に——高齢の患者さんの通帳、手伝ってあげるのはもう危ない?

💡 看護への影響ポイント

改正犯罪収益移転防止法の施行が看護に与える影響は、判断力が低下した高齢の患者さんの依頼で通帳やATM操作を手伝う善意の行為が、報酬の受け取り方や依頼の経緯次第で意図せず法律上のグレーゾーンに触れかねないという点です。

ニュースの要約

改正犯罪収益移転防止法が2026年7月10日に施行され、正当な理由なく有償で送金を依頼・代行する、いわゆる「送金バイト」が新たに処罰対象となった。口座の売買・譲渡に対する罰則も引き上げられ、匿名・流動型犯罪グループによるマネーロンダリング対策が強化されている。

出典: 日本経済新聞(2026-07-10の報道)元記事を見る ↗

現場に影響するルート

  1. Step 12026年7月10日、改正犯罪収益移転防止法が施行され、正当な理由なく有償で送金を依頼・代行する「送金バイト」が新たに処罰対象となった。口座の売買・譲渡の罰則も引き上げられている
  2. Step 2訪問看護や訪問介護の現場では、判断力が低下した高齢の患者さんに代わって、家族の依頼で通帳を預かったりATMでの出金・送金を手伝ったりする場面が実際にある
  3. Step 3今回の規制は正当な理由のない有償の送金代行を対象にしたものだが、善意で行っている手伝いであっても、謝礼を受け取る形になっていたり依頼の経緯が曖昧だったりすると、意図せず法律上のグレーゾーンに触れるリスクが浮かび上がる
  4. Final Step訪問看護ステーションは、金銭管理の手伝いを求められた場合の対応方針(無報酬であることの明確化や家族との書面でのやり取りなど)を、事業所として整理しておく必要が出てきそうだ

「ちょっと通帳を預かってATMで下ろしてきてもらえない?」。そんな家族からの一言、これまでは深く考えずに引き受けていたかもしれません。

2026年7月10日、改正犯罪収益移転防止法が施行されました。正当な理由なく有償で送金を依頼・代行する、いわゆる「送金バイト」が新たに処罰対象となり、口座の売買・譲渡に対する罰則も引き上げられています。匿名・流動型犯罪グループによる特殊詐欺やマネーロンダリングへの対策強化が背景にあります。

このニュース、訪問看護や訪問介護の現場にとって、実は他人事ではありません。判断力が低下した高齢の患者さんに代わって、家族から頼まれて通帳を預かったり、ATMでの出金や送金を手伝ったりする場面は、実際の現場では珍しくないはずです。

もちろん今回の規制が狙っているのは、正当な理由のない有償の送金代行であり、善意の手伝いを取り締まるものではありません。それでも、謝礼やお礼という形で何らかの対価を受け取っていたり、誰から何のために頼まれたのかという経緯があいまいなままだったりすると、意図せず法律上のグレーゾーンに足を踏み入れてしまうリスクが浮かび上がります。

訪問看護ステーションにとっては、金銭管理の手伝いを求められた場合にどう対応するか、無報酬であることをはっきりさせたり、家族とのやり取りを書面やメモで残しておいたりといった方針を、事業所としてあらかじめ整理しておく価値がありそうです。

よくある疑問

Q.この影響を最初に受けるのは誰?

A.高齢の患者さんの金銭管理を手伝う場面がある訪問看護師・訪問介護職と、その対応方針を決める事業所の管理者が直接関係します。

Q.現場で今すぐできることは?

A.通帳やATM操作を手伝う場面があれば、無報酬であることや依頼の経緯を家族と書面やメモで残しておくと、後から誤解されるリスクを減らせます。