医療費全体2.6%増のなか、訪問看護だけ14.1%増——急成長の裏で向けられ始めた『過剰では』の視線
厚生労働省が発表した2025年度の概算医療費で全体が2.6%増だったのに対し訪問看護の医療費は14.1%増と突出した伸びを示したことが看護に与える影響は、訪問看護ステーションの増加という成長の証である一方『不適切に過剰な訪問看護が行われていないか』という懸念の声も上がっており、事業所が提供する訪問の必要性を客観的に説明できる記録・体制の重要性が増しているという点です。

ニュースの要約
厚生労働省が8月28日に発表した2025年度の概算医療費は前年度比2.6%増の49兆2,000億円で5年連続の過去最高を更新した。診療種類別では医科入院2.3%増・医科入院外1.6%増に対し、訪問看護は14.1%増と突出した伸びを示した。訪問看護の1日あたり単価は前年度比マイナス1.0%と減少しており、軽症患者の増加や1回あたりの医療資源投入量の減少がうかがえる。
現場に影響するルート
- Step 1厚生労働省が8月28日に発表した2025年度の概算医療費は前年度比2.6%増の49兆2,000億円で、5年連続の過去最高を更新した
- Step 2診療種類別では医科入院2.3%増・医科入院外1.6%増にとどまる一方、訪問看護は14.1%増と全体の伸びを大きく上回る突出した増加を示した
- Step 3訪問看護の1日あたり単価は前年度比マイナス1.0%と減少しており、軽症患者の増加や1回あたりの医療資源投入量の減少がうかがえる一方、『訪問の必要性の低い患者に多数回の訪問看護を提供しているケースもあるのではないか』という指摘も出ている
- Final Step訪問看護は成長分野である一方、今後の診療報酬改定で適正化の対象として注目される可能性が高く、事業所が提供する訪問の必要性・内容を客観的に説明できる記録・体制を整えておく重要性が増している
『訪問看護、順調に伸びてますね』——素直に喜べる話かというと、少し複雑な事情があるようです。
厚生労働省が8月28日に発表した2025年度の概算医療費は、前年度比2.6%増の49兆2,000億円で、5年連続の過去最高を更新しました。診療種類別に見ると、医科入院が2.3%増、医科入院外が1.6%増、歯科が3.5%増、調剤が3.9%増にとどまるなか、訪問看護だけは14.1%増という突出した伸びを示しています。訪問看護ステーションの増加が主な背景で、コロナ禍前の2015〜19年度も平均16.8%増という一貫した成長トレンドが続いています。
ただし、この数字には気になる側面もあります。訪問看護の1日あたり単価は前年度比マイナス1.0%と、実は減少しているのです。これは軽症患者の増加や、1回あたりに投入する医療資源が減っていることをうかがわせます。実際、特に精神科訪問看護をめぐって『訪問の必要性の低い患者に多数回の訪問看護を提供しているケースもあるのではないか』という指摘も専門家から出ています。
訪問看護は間違いなく成長分野ですが、成長が目立つほど、その中身への視線も厳しくなるものです。厚労省は今後も診療種類別医療費の動向、とりわけ訪問看護の伸びに注目していく方針を示しています。それぞれの訪問がなぜ必要だったのかを記録として残しておくことは、単なる事務作業ではなく、事業所を守る備えにもなりそうです。
よくある疑問
Q.この影響を最初に受けるのは誰?
A.訪問看護ステーションの管理者・看護師と、訪問回数や内容の妥当性について今後説明を求められる可能性のある事業所経営層がまず関わってきます。
Q.現場で今すぐできることは?
A.今すぐ訪問回数を見直す必要はありませんが、それぞれの訪問がなぜ必要かを記録に残す習慣を今のうちに徹底しておくと、将来の説明責任に備えられます。