「人手不足倒産」過去最多237件——病院・医院も倒産の増加業種に入っていた
人手不足倒産が過去最多を更新したことが看護に与える影響は、集計対象の業種別内訳に病院・医院も倒産増加業種として挙がっている点で、地域の医療提供体制そのものが人手不足による淘汰圧力にさらされているという構造が見えてくることです。

ニュースの要約
東京商工リサーチの発表によると、2026年上半期(1〜6月)の「人手不足」関連倒産は237件(前年同期比37.7%増)で過去最多を更新した。業種別では飲食料品小売業、病院・医院、情報サービス・制作業などが倒産増加業種として挙がっている(2026年7月8日発表)。
現場に影響するルート
- Step 12026年上半期の『人手不足』関連倒産が237件と、調査開始以来初めて上半期で200件台に乗り過去最多を更新した
- Step 2業種別の倒産増加リストには『病院・医院』も含まれており、賃上げ圧力に耐えられない中小企業が淘汰される構造は医療機関も例外ではないことが数字に表れている
- Step 3特に中小規模の病院・クリニックは人件費高騰に見合う診療報酬の引き上げが追いつきにくく、賃上げできない→人材が流出する→さらに人手不足が悪化するという悪循環に陥りやすい
- Final Step地域で唯一の診療所やクリニックが閉院すれば、その地域の訪問看護・在宅医療の連携先が失われることになり、看護管理者は自施設の経営体力だけでなく地域の医療提供体制全体の変化にも目を配る必要がありそう
「人手不足倒産」というと、飲食店や建設業をイメージする人が多いかもしれません。でも、そのリストの中に「病院・医院」も入っていると聞くと、少し見え方が変わってきます。
東京商工リサーチの発表によると、2026年上半期(1〜6月)の「人手不足」関連倒産は237件(前年同期比37.7%増)で、調査開始以来初めて上半期で200件台に乗り、過去最多を更新しました。業種別の倒産増加リストには、飲食料品小売業や情報サービス・制作業と並んで、「病院・医院」も挙げられています。
賃上げの流れが社会全体に広がる一方で、それに見合う収益を確保できない中小企業から倒産の波にのみ込まれている——これが今回のデータが示す構造です。医療機関も例外ではありません。特に中小規模の病院やクリニックは、人件費が上がっても診療報酬の引き上げがそれに追いつきにくく、賃上げできなければ人材が流出し、人材が流出すればさらに人手不足が悪化するという悪循環に陥りやすい立場にあります。
これは自分の勤務先だけの問題ではありません。地域で唯一の診療所やクリニックが人手不足で閉院・縮小すれば、そこと連携していた訪問看護ステーションや在宅医療の受け皿が失われることになります。患者さんの通院先や紹介先が減るという形で、地域全体の医療提供体制に影響が及ぶ可能性があるのです。
看護管理者にとっては、自施設の経営体力を気にするだけでなく、地域で連携している医療機関の状況にも目を配っておくことが、これからますます大事になりそうです。何か変化の兆しがあれば、早めに患者さんの転院先や連携先の代替案を考えておく余地が生まれます。
よくある疑問
Q.この影響を最初に受けるのは誰?
A.中小規模の病院・クリニックの経営層がまず賃上げと収益力のバランスに直面しますが、周辺地域で連携している訪問看護ステーションや他院の看護師にも間接的な影響が及びます。
Q.現場で今すぐできることは?
A.地域の連携先医療機関の経営状況や人員体制の変化にアンテナを張っておくと、万が一の閉院・縮小時にも患者さんの転院先確保などの対応を早めに検討できます。