労働

介護報酬改定の賃上げ『実感』は3割どまり——説明不足が処遇改善の効果を薄める

💡 看護への影響ポイント

民間調査で6月の介護報酬改定による賃上げを実感できた介護従事者が約3割にとどまり、事業所からの説明が『なかった』が半数を超えたことが看護・介護に与える影響は、制度上の処遇改善と職員が感じる処遇改善が同じではないため、賃上げの金額だけでなく理由や継続性を伝える説明の有無が職場満足度を左右するという点です。

ニュースの要約

株式会社エス・エム・エスが介護従事者555人に実施した調査で、2026年6月の介護報酬改定による賃上げが給与に反映された・される予定と回答したのは約3割にとどまり、『実施なし』『わからない』を合わせた約7割は賃上げを実感できていないことが分かった。改定時に事業所から『十分な説明があった』人は9.7%にとどまり、『説明はなかった』が半数超だった。

出典: 株式会社エス・エム・エス(2026-08-27の報道)元記事を見る ↗

⚡現場に影響するルート

  1. Step 1株式会社エス・エム・エスが介護従事者555人に行った調査で、6月の介護報酬改定による賃上げを実感できたのは約3割にとどまり、『わからない』が38.9%、『実施なし』が29.7%だった
  2. Step 2改定時に事業所から『十分な説明があった』人は9.7%にとどまり、『説明はなかった』が半数超と、国策の処遇改善が現場に十分伝わっていない実態が浮かび上がった
  3. Step 3基本給の賃上げが行われた層では職場満足度が『上がった』が62.6%だったのに対し、賞与・一時金による支給の層では35.3%と支給方法によって差が生じている
  4. Final Step制度上お金を配分することと、職員が『処遇が改善された』と認識することの間には説明という工程が必要で、これが欠けると処遇改善策の効果自体が現場に届きにくくなる

『給与は上がったはずなのに、なぜか実感がない』——そんな声が、介護現場の調査から浮かび上がりました。

株式会社エス・エム・エスが介護従事者555人を対象に行った調査によると、2026年6月の介護報酬改定による賃上げが給与に反映された・される予定と回答したのは約3割にとどまりました。「実施なし(29.7%)」「わからない(38.9%)」を合わせると、約7割が現状、賃上げを実感できていません。さらに、改定時に事業所から「十分な説明があった」人はわずか9.7%で、「説明はなかった」が半数を超えました。国策としての処遇改善の意義や対応が、現場まで十分に伝わっていない様子がうかがえます。

興味深いのは、支給方法によって職場満足度への影響が異なる点です。基本給の賃上げが行われた層では職場満足度が「上がった」との回答が62.6%だったのに対し、賞与・一時金による支給の層では35.3%にとどまりました。金額を配分することと、職員が「処遇が改善された」と認識することの間には、もう一つの工程――なぜ上がったのかを伝える説明――が必要であることを、この差は示しています。

訪問看護・介護の現場では、処遇改善加算の申請や配分方法の決定など、事業所側の対応が完了しても、それが職員に届く形で説明されなければ「給与が少し変わった」という事実しか伝わりません。賃上げそのものだけでなく、それをどう伝えるかが、処遇改善策の効果を左右する分かれ目になりそうです。

よくある疑問

Q.この影響を最初に受けるのは誰?

A.6月の介護報酬改定の対象となった介護従事者と、その処遇改善を担当する事業所の管理者がまず関わってきます。

Q.現場で今すぐできることは?

A.今すぐ全事業所が対応を変える必要はありませんが、賃上げがあった場合はその理由や継続性を職員に説明する機会を設けると、処遇改善の効果をより実感してもらいやすくなります。